The Get Program 2024 Part 2

フランスを旅立つ日の朝、クロワッサンとパンオショコラを名残惜しみながら朝食にいただき、モンペリエ空港で Kevin に別れを告げ、LCCでロンドン・ルートン空港へ向かいました。
ロンドン・ルートン空港へは2時間程で到着し、そこから車で20分程の街 Hitchin(ヒッチン)へ。

待ち合わせ場所にホストファミリーがそれぞれ迎えに来ていて、初めましての挨拶早々にケンブリッジへ急いで向かいます。向かった先はサッカー場 The Cledara Abbey Stadium。着いた初日の土曜日にしかサッカーの試合を観戦できないということで、急いでスタジアムへ向かいホストファミリーと一緒に総勢12名でサッカーを観戦しました。イギリスとは思えない日差しが強い日ではありましたが、みんなでサッカー観戦ができ、思いの外楽しめ、日本とは異なるライブ感も味わえました。観戦後はそれぞれのホストファミリー宅へ向かい、英語漬けのホームステイ生活がスタート。

翌日は日曜日ということもあり、特に予定を入れていなかった中、ホストファミリーがご自宅へアフタヌーンティーパーティに招待してくださいました。私たち以外にもご親戚の方、ご友人も集まって手作りのケーキでおもてなしを受けました。日本人が来ると聞きつけて、5分だけ日本語を勉強してきたというご夫妻がいて、「When do you use “お邪魔します”?」と質問を受け、短時間の日本語の勉強で中々興味深い言葉の選択に驚きましたが笑、みんなで大変楽しくお話しさせていただきました。子供達は庭にある大きなトランポリンで飛び回りながらも、ホストファミリーの子供達から「MA-U-SU」じゃなくて「mouth」と英語の発音を注意されながら、会話も弾んでいました。子供達がすぐに打ち解けて和やかにしている様子を伺え、私もホッと一安心でした。

イギリスでは、日中はロンドンやケンブリッジへ観光に出かけ、朝晩は各ホームステイ先で生活します。ホストファミリーと一緒に生活して食事を摂ったり、ゲームをしたり、毎日楽しくて仕方がない様子でした。

ロンドンでの観光先は、学生達のリクエストで、アーセナルスタジアム、ポートベロマーケット、タワーブリッジ、ビッグベン、バッキンガム宮殿、自然史博物館、スターバックス。偶然通り掛かったテートモダン美術館のミュージアムショップに立ち寄ったり、バンクシー作品が見れたりも。ケンブリッジでは、2階建てバスに乗って街を回り、カム川のパントツアーや美術館にも立ち寄りました。私は別行動で Becca が勤めるケンブリッジ大学出版のオフィス見学にも行きました。

今回のイギリスでのホストファミリーを見つけたり、観光の手配をしてくれた元イマジン語学スタジオの講師 Ed と Becca 夫妻、息子の Henry が常に同行してくれただけでなく、親戚の Edwin が日本語の勉強を大学でしているというので、わざわざ電車で4時間かけてマンチェスターから駆けつけて、ホストファミリー以外にもたくさんの英語話者に囲まれ英語漬けの毎日を過ごせました。語学留学の一番大事な環境は、日本語話者より英語話者の人数が多くなることが必須です。また老若男女問わず話すことも必要で、その恵まれた環境の中、学生達は英語でなんとか伝えようと頑張っていました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、イギリスでの滞在も最終日を迎え、ロンドン・ヒースロー空港から香港空港経由で関西空港へ戻り、2週間の旅が終わりました。

長旅の疲れもまだ取れない中、学生達はプレゼン発表の準備にマンツーマンレッスン受講をすぐに再開。フランスとイギリスでそれぞれのプレゼンのテーマに合わせて調べたり現地でインタビューしてきた内容をまとめ、ポスターを制作し、スピーチの練習をしました。
スポンサーである親御さんの前で英語でそれぞれプレゼンを発表し、質問にも応え、語学研修の成果を発表する機会となりました。それぞれ興味に基づいて選択したテーマは「Succer」「School」「Café」でした。

このプログラム The Get Program のキャッチコピーは、「Get to know myself, Get to know Japan, Get to know foreign cultures, Get to know English, and Get to Go overseas!」を掲げています。学生達が今回のプログラムを通して、言葉だけに限らず異文化を理解し体験した経験を生かし、一人でも海外へ行くことに躊躇せず、さらに英語力を身に付けて、将来世界へ旅立ってもらえればと願います。

The Get Program 2024 Part1

第5回目となる海外語学研修 The Get Program 2024 。研修先は年によって変わりますが、2019年以来となるフランスとイギリスの2カ国で2024年の夏に開催しました。
夏の2週間のヨーロッパでの語学研修に向けて、ゴールデンウィーク明けから通常のマンツーマンレッスンにプログラムの内容を組み込んでいきます。出発前の準備から帰国後のプレゼン発表日まで約半年間のプログラムです。
出発前には、語学研修のための宿題も出ます。まずは「映画パディントン鑑賞」。参加するどの学生もイギリスへ行ったことがなかったため、パディントンを観ることでホームステイのイメージがし易く、ロンドンの街並みも愉しめ、ストーリーも解りやすく、今回のプログラムにぴったりの映画だと思って勧めたものの、鑑賞後「熊がリアル過ぎて気持ちが悪かった」「あんまり面白くなかった」…学生達にこちらの想いは伝わりませんでしたが、映画は最後まで観てくれたので、オリジナルで作成した映画にまつわる英語クイズに答えてもらい、旅立つ前の英会話レッスンとして成り立ちました。
もうひとつの宿題は、家事。西洋では小さい頃から家の手伝いをするのは男女問わず当たり前で、特別なことではありません。ホームステイ先に宿泊するにあたって、出発までにできるだけ自宅で家事を手伝っていただくようお願いしました。洗濯も食器や浴槽を洗うのも初めてという学生もいて、お母様からは大変素晴らしい文化だと喜んでいただきました。それ以外の宿題は、フランスで制作するTシャツのデザイン、ロンドン観光地の希望をリストアップ。観光する場所も、ただこちらが一方的に決めるのではなく少人数制という利点を生かし、出来るだけリクエストに応えるようにしています。
出発前のレッスンでは、最終発表するプレゼンの準備、レストランやカフェでの英語で注文する方法、入国審査で聞かれるであろう質問への答え方等、準備は尽きません。
そんな中、私はイギリスでのホストファミリーがなかなか見つからない事と、35年ぶりと言われる円安に頭を抱えながら学生達を陰ながら見守っていました。
フランス式挨拶「ビズ」について南仏出身の講師によるフランス語も1レッスン設けました。

色々な準備をしていく中、学生達もヨーロッパへ行くワクワクする気持ちと同時に、緊張や不安も少し見受けられましたが、この期間が一番レベルアップできる時期でもあり、どの学生もモチベーションを上げて、いつも以上に気合いが入って英会話レッスンを受講している様子でした。
そうこうしているうちに、イギリスでのホストファミリーが決まり、学生達はそれぞれのホストファミリーに英語でメール連絡を取り始めます。お土産は何がいいか、フィッシュアンドチップスを食べてみたいと英語で伝えたり返信を受け取ることで現実味が増していきます。
そして、出発当日8月9日は天候にも恵まれ、学生達はご家族に見送られて関西空港を旅立ちました。

まず、関西空港から3時間のフライトで香港空港でトランジット、夜中便で12時間かけてパリシャルルドゴール空港へ。パリで開催されていたオリンピックの雰囲気を空港で少し感じ取った後、2時間のフライトを経て、南仏モンペリエ空港へ到着。迎えに来てくれていたコテージのオーナー Kevin から予想通り、練習したフランス式挨拶ビズで歓迎を受け、そこから車で1時間、宿泊先のコテージへやっと到着。飛行機の乗り換えや待ち時間を含めるとほぼ24時間かかって辿り着いた小さな街 Lodève (ロデーヴ)。私にとっては5年ぶりでしたが、車窓から変わらない素敵な街並みにほっと一息、遠いところへ辿り着いたなぁと重たいスーツケースをそれぞれの部屋へ運び込みました。

翌日からは、早速 Kevin によるアートの授業を英語で受けます。Kevin はとてもおしゃべりで早口です。アイルランド出身のため母国語は英語ですが、スペイン語とフランス語も堪能で、以前パリの美術学校でアートを教えていました。 Kevin 指導の元、学生達は考えてきたデザインを元にTシャツを仕上げていきます。

フランスでは、朝食後、工房で版画の授業を受けTシャツを制作します。午後は観光もしくはコテージ内のプールや川で遊んだり卓球をしたりして1週間を過ごしました。家事を練習してきた甲斐があってか、時間を見つけては中学生の男子2人は毎日自分達の服を洗濯していました。食後の食器を片付けたり、食事の手伝いも文句を言わず楽しんで取り組んでいました。

観光へは地元の美術館やカフェ、スーパーに出かける日も。Kevin 家族が総出で海岸近くのリゾート地 Sète(セート)へも車で連れて行ってくださったので、海で泳いだり、”南仏らしい夏のバカンス”を過ごし、時差ボケもすっかり忘れるくらいに満喫しました。夕食は Kevin のご家族やご近所さん宅へ招かれる日もあり、オリジナルTシャツも無事仕上がり、地元の少年とサッカーをするという目的も達成できました。

最終日、お世話になった Kevin 家族へ唐揚げや肉じゃが等の和食をもてなし、学生達は手作りのみたらし団子を振舞いました。リビングにある Jean Prouvé の素敵なテーブルを囲み、建築家の奥様 Radou と娘さん Isleen と団欒しながら南仏最後の夜を締めくくりました。

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